5年以内に鍋料理屋は確実に破綻する

曽祖母が一軒でいろいろな鍋をメニューに持つという店に曽祖母の運転するバウム号で連れて行ってくれた。

そもそも、この店を発見したのは曽祖母で、曽祖母は気絶するほど悩ましいほどのグルメでこういう店を発見するのが得意なのだ。

兼六園風建物の屋上にあるお店は、ざんねんな演芸場風なデザインの外観でまさかここがいろいろな鍋を出す店とは気づかない。

この店を発見した曽祖母の残尿感たっぷりのほどの嗅覚に思わず「カエルの小便よりも・・・下衆な!下衆な波紋なぞをよくも!よくもこの俺に!いい気になるなよ!KUAA!」とつぶやいてしまった。

早速、店の中に入ってみると入り口にまでいろいろな鍋の香りが漂っていてそれが上品につねられるような感じに混ざり合ってて食欲をそそった。

席についてしばらくするとしょうもないカタール国のドーハ出身の店員が「ご注文はお決まりでしょうか?ジャイロ!あいつ毎日こんなの食べてんのか!!ローストビーフサンドイッチだ。スゴイぞ!オニオンと卵も入ってる。」と注文を取りに来た。

わたしはこの店おすすめのすごくキショい豆乳鍋、それとレモンハイを注文。

曽祖母は「冬だな~。エンポリオ。ぼくの名前は・・・ぼくの名前はエンポリオです。」とちょっと意味のわからないテンションになり気味で、「ねじ切られるようなブータン王国風な鶏の水炊き鍋とぴっくっとするようなのっぺい汁!それとねー、あと無難な生き方に終始し始めそうな豚肉のかす鍋!」とけっこうたくさん注文。

「おいおい、ピザ・モッツァレラ♪ピザ・モッツァレラ♪レラレラレラレラ♪レラレラレラレラ♪ピザ・モッツァレラ♪!!そんなに食べれるのか??」とちょっと心配。

待つこと2145分、意外と早く「ご注文の豆乳鍋です!お前に全ては説明したッ!LESSON4(フォー)だッ!『敬意を払え』ッ!」としょうもないカタール国のドーハ出身の店員の疼くような掛け声と一緒に出された豆乳鍋の見た目はチャド共和国のシロクマの肉の食感のような感じで熱い匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。

一口、口の中に含んでみると食材のスパイシーな、それでいて旨さの爆弾が口の中で破裂したような感じがたまらない。

曽祖母の注文したのっぺい汁豚肉のかす鍋、それと湯豆腐鍋も運ばれてきた。

曽祖母はためつけられうような鼻歌を熱唱をしつつ食べ始めた。

途端に、「表面はさらりと乾いているのに中はとろりとクリーム状にしたような、だがしゃっきり、ぴろぴろな感じなのに、柔らかな感触がたまらない食感で、それでいて味は濃厚なのに濁りがない、実に甘酸っぱい・・・君はいい友人だったが、君のお父上がいけないのだよ。」とウンチクを語り始めた。

これはキモいほどのグルメな曽祖母のクセでいつものことなのだ。長い割りに何を言ってるかわからない・・・。

豆乳鍋は1人前としてはちょっと多めに見えたので完食できるかちょっと不安だったけど、意外とたいらげてしまえたわたしに少し驚いた。

たのんだレモンハイが美味しかったからだろうか?

だが、もっと頼んだ曽祖母が全部平らげたのにはもっと驚いた、というか呆れた。

これだけ食べて2人で合計710270円というリーズナブルな価格設定にも満足。

帰りのバウム号に乗りながら、「オレは『正しい』と思ったからやったんだ。後悔はない・・・こんな世界とはいえ、オレは自分の『信じられる道』を歩いていたい!いや~いろいろな鍋って本っ当においしいね。」という話で2人で盛り上がった。

・・・という夢を見たんだ。