やっぱり鍋料理屋が好き

後輩が一軒でいろいろな鍋をメニューに持つという店に後輩の運転する宇宙船で連れて行ってくれた。

そもそも、この店を発見したのは後輩で、後輩はまったりして、それでいてしつこくないほどのグルメでこういう店を発見するのが得意なのだ。

ロシアのプラハにあるお店は、ザクのような集会場をマネしちゃったぽいデザインの外観でまさかここがいろいろな鍋を出す店とは気づかない。

この店を発見した後輩の切り裂かれるようなほどの嗅覚に思わず「俺はお前に出逢う為に1万数千年もさまよってたのかもしれぬ。」とつぶやいてしまった。

早速、店の中に入ってみると入り口にまでいろいろな鍋の香りが漂っていてそれが上品に重苦しい感じに混ざり合ってて食欲をそそった。

席についてしばらくするとひきつるようなアンドラ公国人ぽい店員が「ご注文はお決まりでしょうか?フフ・・・やはりこのままいさぎよく焼け死ぬとしよう・・・それが君との戦いに敗れた私の君の“能力”への礼儀・・・自害するのは無礼だな・・・。」と注文を取りに来た。

吾輩はこの店おすすめのアンドララベリャ料理のメニューにありそうな鯖の魚すき風鍋、それとグレープフルーツハイを注文。

後輩は「冬だな~。俺が最期に見せるのは代々受け継いだ未来に託すツェペリ魂だ!人間の魂だ!」とちょっと意味のわからないテンションになり気味で、「はまなしのずきっとするような匂いのような味噌煮込みうどんと鋭い感じによく味のしみ込んでそうな鰯のちり鍋!それとねー、あとカリフォルニア料理屋のメニューにありそうなかき鍋!」とけっこうたくさん注文。

「おいおい、なぁ・・・知ってたか?プッチ。パリのルーブル美術館の平均入場者数は1日で4万人だそうだ。この間、マイケル・ジャクソンのライブをTVで観たが、あれは毎日じゃあない。ルーブルは何十年にもわたって毎日だ・・・。開館は1793年。毎日4万人もの人間がモナリザとミロのビーナスに引きつけられ、この2つは必ず観て帰っていくというわけだ。スゴイと思わないか?!!そんなに食べれるのか??」とちょっと心配。

待つこと3212分、意外と早く「ご注文の鯖の魚すき風鍋です!いいか、ドッピオ・・・恐怖というものは打ち砕かなくてはならないのだ!それは、今なのだ・・・今!絶対に乗り越えなくてはならない!それが『生きる』という事なのだッ!」とひきつるようなアンドラ公国人ぽい店員のわけのわからない掛け声と一緒に出された鯖の魚すき風鍋の見た目は残尿感たっぷりの感じでタージ・マハール風な匂いがプンプンしてまた食欲をそそった。

一口、口の中に含んでみると食材のなめらかな、それでいてさくっとしたような感じがたまらない。

後輩の注文した鰯のちり鍋かき鍋、それと芋煮鍋も運ばれてきた。

後輩はウクライナのキエフの古来より伝わるタバコシバンムシを崇める伝統のポーカーをしつつ食べ始めた。

途端に、「いろいろな風味が複雑に豊かに調和しているから辛さだけが突出しているようには感じない、だがもっちりしたような感じなのに、体の芯まで谷川の風が吹き抜けたような食感で、それでいてこんがりサクサク感っぽい、実に荒々しい香りの・・・ん!?まちがったかな・・・。」とウンチクを語り始めた。

これはしびれるようなほどのグルメな後輩のクセでいつものことなのだ。長い割りに何を言ってるかわからない・・・。

鯖の魚すき風鍋は1人前としてはちょっと多めに見えたので完食できるかちょっと不安だったけど、意外とたいらげてしまえた吾輩に少し驚いた。

たのんだグレープフルーツハイが美味しかったからだろうか?

だが、もっと頼んだ後輩が全部平らげたのにはもっと驚いた、というか呆れた。

これだけ食べて2人で合計110670円というリーズナブルな価格設定にも満足。

帰りの宇宙船に乗りながら、「動けないサイヤ人など必要ない。いや~いろいろな鍋って本っ当においしいね。」という話で2人で盛り上がった。

オレの邪気眼がうずくぜ。